水曜日, 2月 07, 2007

拝啓 ケインズさま

昨日Economic Enviromentの授業の一環としてCommanding Heightsというドキュメンタリー映画を見ました。

内容を簡単にまとめると、第一次世界大戦前後から1970年代までの資本主義社会、特にジョン メナード ケインズを中心に体系化されたマクロ経済学とそれが与えた各国政府の政策への影響を追うというもの。。と、書くととてもむずかしーく聞こえてしまうのですが、このケインズの考えというのは現在でも私たちの日常生活に大きく影響しているのです。

例えば政府の公共事業。ケインズの書いた’雇用利子および貨幣の一般理論’という本がなかったら、政府がこんなにたくさん公共事業に予算を投じることもなかったかも。例えば道路、ダム、橋の建設。これを政府主導で行うことで人が雇われる、雇われた人の収入が増える、収入が増えれば支出も増える。。。といった具合に、’需要’が生み出されていくのです。さらにケインズの説いた’大きな政府’は、電気、水道、ガス、電話、鉄道などを政府運営とし、価格の管理などをすることを提唱。これに追随したのが世界恐慌直後のアメリカ、そして戦後の日本、イギリス。。と資本主義社会の多くが大きな政府の政策をとり、結果、かつて日本には電電公社、専売公社、国鉄、などが存在したわけです。
時を経ること60年以上、この間政府は予算の拡大を重ね、ひいては財政赤字を引き起こす。そして緊縮財政へと政策変換、強行に推し進めたのがイギリスの鉄の女、サッチャー首相であり、日本でも長らくかかりましたが、80年代から国鉄、専売公社、電電公社などが次々と民営化、そして郵便事業に道路公団の民営化へと続くわけです。

ケインズの提唱した政府の積極関与は是だったのか、非だったのか、是であれ非であれ、彼の与えた影響は計り知れず、それを調整、よりよい方向へ向けるために政府の政策は決定付けられている、より均衡が保たれるように動いているというのが、現代経済の状況なのです。
と、言い切ってしまっても外れてないと思います。

いづれにしてもケインズさま、あなたが亡くなられて100年余り、世界はよりグローバル化の波の中にあり、そして温暖化などの新たな問題に直面しています。今あなたが生きていたら、この世界、どう分析し、どういった提唱をされるのでしょうか。

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