木曜日, 2月 22, 2007

もしもあなたが。。。

今日はInformation Systemの講義のあと、単発Lectureの'Ethic and leadership'が3時間弱ありました。アメリカの某ビジネススクールのDean(校長先生)を歴任されたProfessorだけあって、講義もなかなかDinamicかつ面白く、後半1時間半はほとんど彼が話し続けていたのですが、これがまた全くあきさせない話。これだけの時間50人以上の学生を飽きさせずに話し続けられるのは相当なSkillがないと難しいのです。

内容は企業の社会的責任とその行動について、前半は、’もしあなたが血液を売る会社のCEO,それも上場会社で株主に対する責任のある立場のCEOで、ある発展途上国の首相から大規模な地震のため重傷者が続出しており、血液が深刻に不足してしまっている状態。緊急でなんとか10万人分の血液を売ってほしい、当方の予算は100万ドル、という電話を直接もらったとする。相手とその国の人たちは非常に切迫した状態。ここでもし売るという選択をとる場合、①1単位10ドル(短期的には損出)②25ドル(採算ぎりぎり)③50ドル(通常の利益確保)④100ドル(通常以上の利益計上)の、どの選択をとるか?’
という問題についてのDiscussion.

’ただであげる’とか、他の値段設定という想定ははずし、あくまでも上記4つの選択肢の中から選ぶという条件。
やくざな血の流れる私は当然、全くなんの迷いもなく①を選択。この場合、10万人すべての人が救える。そして地震の恐ろしさを知る日本人としては全く当然の選択。。

しかしここで考えなければならないのは株主に対する責任のあるCEOという立場。1単位10ドルで売るということは会社に損出を起こさせる、つまり株主の投資を勝手に使用することになる、背任罪で告訴されてもおかしくない選択。実際そういった意見も出て、クラスは一時紛糾。
そんなこといったって人が死んでる状態なんだって、という意見から’でも、地震じゃなくたって毎日何人もの人が死んでるんだから。。’という意見。

この場合は当然’正解’があるわけではなく、各人の理念や信念による判断にゆだねられると。この理念や信念は育った国によっても違いがありそうだけど。。

私は逮捕されようと何されようと、困っている人は救える方法でできる限り救います。

しかし人間というのはあとで冷静に振り返ってみると、’どうしてそんなことしたの’ってことをやってしまうもの。例えばEnronの粉飾決算とか、ミドリ十字の許しがたい血液製剤をめぐる犯罪。利害や状況、組織の中にいる人間の心理、上層部からの圧力。。などなどによって、人間は冷酷な選択をする。。。
というのが後半の話。人間は必要以上に楽観的で、しかも他人の評価よりも自分をよく評価する傾向にある。。と。。確かに。
しかしこういった自身や楽観があるからこそ未来への原動力になっているわけで、それ自体失うことはできない、だからいざ耳をふさぎたくなる進言をされたときにどう対応するか。。個人の懐の深さや信念のつよさが試されると。

これからの時代ますます問われる企業の社会責任。私はあくまでも懐の深い、でもつよい信念を持つCEOに、なりたい。っていつからCEO志望になったの???

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